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History of Researching CEREC
一番最初にCERECの歴史について概要を教えてください
コンピューターを使った虫歯治療は1973年にフランスのデュレイという先生が研究開発を始めたこと一番最初とされています。ただ、この実用化にはその後かなり時間を要したため、実際の臨床で応用された一番最初のモデルは私が留学した先のスイスのチューリヒ大学のメルマン教授が開発したCERECシステムということになります
そこから今まではどんな発展をしてきたんですか
ここまで約30年の歴史がありますが、最初のうちは小さな詰め物を作るところから始まって、現在ではインプラント上の被せ物からブリッジまで幅広く歯科の様々な技工物を作ることができるようになってきております。
このような歯科用CADCAMシステムは、コンピューターの技術革新と同調しながら発展してきています。特にCERECシステムは複数回の大幅なモデルチェンジを重ねて進化しており、性能の向上や適応症の拡大に成功してきました。
初期のCERECでは、お口の中のスキャニングをする際には白い酸化チタンのパウダーをかけないとスキャニングができませんでした。これは非常に繊細で面倒な作業で、初心者にはハードルの高い臨床ステップであったと言えます。しかし最近のモデルではそういったお口の中に粉をかけるという作業が全く不要になっており、このカメラのパウダーフリー化は多くのユーザーを生み出すきっかけと言えます。
また製作できる詰め物の種類に関してもセレックの1とセレックの2の最初の頃までは小さな部分的な詰めものしか作ることができませんでした。
しかし、私が歯科医師になった1999年頃からセレックのマシンの内部のセラミックブロックの削りだしの機構が改良され、それまでのダイヤモンドディスクに加えてダイヤモンドバーのドリルを付け加えたことで、複雑な構造を加工できるようになり、歯科治療では重要なクラウンの切削加工が可能となりました。このような改良を重ねることによって製作できる詰め物の形や種類など、応用範囲が非常に大きく広がってきています。
また材料も強度の比較的小さいガラスセラミックだけでなく、プラスチック樹脂や高強度なジルコニアに至るまで様々な材料を加工することができるようになってきています。
風間先生はどのあたりから研究されてるんですか?
私が歯科医師になったのは1999年なので、ちょうどセレック2システムからになります。臨床で応用できる範囲としては小さなインレーやラミネートべニアから、いよいよクラウンを加工できるようになり、臨床応用が始まった時期から私は実際にこの研究と臨床をスタートいたしました。
大学病院ではCERECの初代システム、CEREC1から所有しておりましたので私は臨床と研究は初代機から一貫して最新機種までずっと研究と臨床で使い続けてきた経緯があります。
実際に使ってみて、使いやすくなってきているんですか?
それは圧倒的に違います。最初の頃は小さな詰め物1個作るに至っても、1人の患者さんで治療している最中に3つも4つも作らないとぴったりしたものができ上がらなかった経験があります。また虫歯の取り方、削り方、型取り(スキャン)の仕方など、一つ一つのステップをちょっとでも間違ってしまうと適切な詰め物、被せ物を作ることができませんでした。コンピュータの性能も今と比べれば非常に貧弱だったので、エラーやバグのために途中で止まってしまうなどの問題や、故障などでも随分苦労した思い出があります。それが最新機種では、そういった今までの苦労を全く全て克服して誰が使っても簡単に適切に素早く正確な詰め物被せ物を制作することができる時代になっています。
1 Day Treatmentのコンセプトは開発当初からあるものなんですか?
もともとこのシステムはワンデートリートメントを行うために開発されたという歴史があります。実は1970年代後半から80年代の初頭、歯科用CADCAMシステムというのは、このCERECの開発を行ったスイスのチューリヒ大学のほかに、先ほど申し上げたフランスのグループ、ほかにアメリカのグループなど、世界的に3つのグループが研究開発を行っていました。アメリカとフランスのグループは、クラウンやブリッジの製作のため正確な適合性やかみ合わせの再現を目標としたため、装置が大型化し、製作時間が要求され、コストもかかり実用化が遅れた経緯があるようです。
一方、私が使用するセレックシステムは、スイスのチューリヒ大学のメルマン教授が開発しました。教授はもともと保存修復系の先生ですが、特に充填と呼ばれるその日のうちに虫歯の穴に詰め物を作ることコンセプトに研究開発を行ってきました。このようにCERECは1 Day Treatmentを開発当初からコンセプトにしております。
その1 Day Treatmentというコンセプトは日本で定着しましたか?
輸入販売を行ったメーカーは、即日修復ができるということをうたってはおりましたが、この国で定着させるためには克服しなければならない課題がありました。1日で全てを完了するその治療法は、一定の治療時間を必要とします。開発されたスイスでもこの機械で即日修復を行うためには2時間程度の治療時間が必要とされていますが、特に日本においてはCERECが開発された1970年代後半から80年代、非常に虫歯が溢れていた時代で、普通のクリニックで1人の患者さんに対して1時間から2時間、治療時間を確保するというのは非常に困難な時代でした。
実際に私が歯科医師になって所属した大学病院でも、臨床応用を始めた当初は不慣れで経験不足ということもあり、1人の患者さんに2時間のアポイント時間を確保するというのは非常に難しかった時代もあります。
この通り、日本の歯科診療体系の中でまとまった時間を確保するというのは非常に難しく、機械の性能が進歩した現代においても未だ一定の時間を確保することがままならない歯科医院も少なくはありません。
そういった日本の保険の制度の中でCERECシステムを使っていく中で、どういうことを知りたいと思われたんですか?留学するまでの動機や経緯を教えてください。
私は大学院でCERECを使用する際に、どのようにしたら質の良い詰め物やかぶせ物ができるかというところを研究で取り組み始めました。様々な研究や臨床での経験から、歯の削り方やスキャニングの仕方など、様々なパラメータが、製作する詰め物やかぶせ物のの仕上がりに影響を与えることがわかってきます。どのような条件で使用すると良好な成果が得られるのか、このシステムの適切な使い方というのが明らかにはなってくるわけですが、欧米の先生方が論文で報告しているような優れた成果を獲得するのは容易では無かったです。
そこでより重要な要素があるのではないかと、日々論文や研究データを確認する中で追求したい気持ちが高まり、それではシステムを開発したスイスのチューリヒでこの治療法の正しいやり方での勉強をしたいということで留学に至った経緯があります。
留学を決意されて、すぐに留学することができたんですか?
研究の世界での留学には様々な方法があると思いますが、私取り組んだ最新のコンピューターを使ったセラミック治療の分野には、日本に先駆者がいない時代でしたので、紹介してもらってど留学するようなルートが全くありませんでした。
なので私は大学院にいる時代から積極的にヨーロッパの学会で参加して、世界的に有名なCADCAMやコンピューターセラミック領域の著名な先生方とコミュニケーションを取るように心がけていました。特にこのセレックを開発したメルマン教授とも学会で知り合い、ぜひ留学したいという希望を会う度にリクエストしました。また、留学が実現する以前からチューリッヒ大学には短期滞在しては臨床を見せてもらったり研究の現場を見学させてもらったりしながら研鑽を重ねていたところがあり、色々と勉強させてもらった形がいよいよ留学という形で正式に結実したという経緯があります。
チューリッヒ大学に行ってみて、それまでの疑問はどれくらい解消されたましたか
まずCERECシステムを開発した教授のもとですから、患者さんへの説明の仕方から実際の治療の方法、機械の使い方そして治療が終わった後の定期的な予後観察の方法まで完全にシステム化されていて、その現場を留学して勉強することができました。
留学するまでは、日本にいて全く分からなかったことがスイスに留学したことによってすべて明らかになったことは非常に有益でした。CERECを臨床で使いこなすための未知の機械や材料、そして患者さんへのコミュニケーションの取り方など、正当なやり方を現地で勉強してくることができたというのは自分のこういったセラミック修復の臨床にとって非常に大きなメリットがあったと言えます。
留学を終えて、日本に帰ってきて、それを実践しようとして、できましたか?
向こうで経験したことは、留学中にも学会発表や執筆などでできる限り形に残しました。帰国後ただちにCERECを扱う企業の講師依頼も拝命して、日本の多くの先生にフィードバックの機会をいただけたことも情報整理には役立ちました。
講師としてほかの先生に教えを広めることになった経緯を教えてください
私が留学から帰ってきた頃から新しい新機種が販売されたり、適応可能な材料が増えてきたことによって、一般の開業医の先生方も歯科用CADCAMシステムに次第に取り組むようになってきた背景がありました。
ところが大学の歯学部における教育では、当時こういったコンピュータを使ったセラミック治療については全く教育がなされておらず、最新機種を導入した先生方は教科書も体系的な教育も無いまま、メーカーの供与するごく限られた情報のもとで臨床応用するしかない時代でした。また、メーカーのフォローマンは歯科医師ではありませんので、機械やソフトウェアの使い方を指導することはできても、具体的に臨床に踏み込んだアドバイスをすることはできません。
私も始めた頃は情報不足で困った経験もありましたし、大学で自身で様々な研究を重ねた経験や、スイスのチューリヒに留学して得られた正しい知識と技術を先生方に教えてほしいということでメーカーさんからの依頼でいくつか講演会を重ねるようになりました。
学校で教えてくれない最先端の知識と技術は、卒後教育として我々大学で研究した人間がこれからどんどんとそういったアドバイスする必要がある、このような経験を生かして現在でもこういった教育事業というのを積極的に行っております。
保険治療の手法をCERECに使ってしまいトラブルが起こると聞いていますが、意識の変化とか時代によって変わってきているところはありますか?
この国ってずっと保険が歯科診療を支えてくれてますから当然先生方は歯学部の教育でも卒後一般的にクリニックで習得するような臨床的な知識と技術に関しては基本的に保険診療が中心の先生が非常に多いです。
この国の保険で適用になっているような歯科材料というのは金属とプラスチックが中心になっていますから、皆さんそういったところを中心に学校でも勉強して臨床でも実践するわけですね。
ところがこういったコンピューターを使うとか、またセラミックを使うとなってくると、ものの作り方から実際に応用する材料までが全く保険で使われている材料と異なりますから、そういったところの使い方がわからなくて実際に患者さんに応用してみるとうまい結果が得られない。
具体的には患者さんが痛みで苦しんでしまったりだとか、またせっかく装着したものが短期間で割れてしまうとか様々な臨床トラブルで苦しまれているような先生が非常に多くいらっしゃったりします。
こういった最新の治療システムを広く普及させる上では追加的な卒後の教育というのが非常に今のところは欠かせない状況であるのかなというふうに考えております。
材料と道具の進化というお話がありましたが、研究を始められた当初と比べて、材料や道具の進化に ついてどう思いますか?
例えばセラミック材料は単体では非常にもろい材料ですけども、人の歯に対しては樹脂系の接着剤量でしっかりとつなぎとめてあげると強度が増すということが多くの論文でも明らかになっていますし、私も実際に実験を行って確認をしております。
それらの樹脂系の接着材料というのがここ50年の歴史がある中でですね、特にこの20年くらいというのは飛躍的に進歩してきた経緯があります。
これらの最新の知識をしっかりと勉強するか否かでセラミック材料を口の中でしっかり機能させることができるかできないかの分かれ目つながってくるのではないかなというふうに考えております。
またセラミック材料自体についてもどんどん強度の高いものも多様に進化して市販されるに至っておりますので、いろんな研究データを見定めることによって適切な臨床応用のあり方というのを勉強すると、しっかりと患者さんの治療で使い分けることができるのではないかなというふうに考えております。
CERECシステムができて30年ということと、30年後の生存率が90パーセント以上というのは、ほとんど歴史そのものですので、今後もっと生存率が上がる可能性は今後あるということでしょうか?
そうですね。まぁ開発されてから30年とちょっとのシステムになりますから、それ以上どれぐらい長く持つのかということ、これは誰も分からないわけです。このシステムが開発された当初から口腔内にすでに装着された修復物を経過観察することによってこの先40年50年の歴史が追加されていけば、この詰め物が長年にわたってどれぐらい機能するかということが論文でしっかりと評価される時代が来るという風に考えています。
世界中での普及に関してはどうですか?ヨーロッパ、アメリカ、アジアの普及率はどうですか?その中で日本の立ち位置はどうですか?歴史的な経過も教えてください
あの開発されたのがヨーロッパのスイスになりますけれどもこういった歯科用CADCAMシステムはドイツやスイスあたりを中心に開発して普及が始まった経緯があります。またアメリカでは自費の治療だったりあとは審美治療と呼ばれるセラミックなどを中心とした治療が患者様に広く受容されているような経緯もあったりしますので、欧米を中心にこういったCADCAMセラミック治療というのは普及が始まった経緯があります。
一方で先ほども申し上げた通り、日本では保険が主体になってきますのでまだまだ中くらいから大型の詰め物被せ物に関しては金属の治療を行う歯科医師も非常に大勢いますし、患者様も実際に安いコストで治療を受けることができるという観点からもまだまだ金属治療を選択される方が多い。
そういった意味で欧米と比較して日本のこういったCADCAMセラミック治療というのはまだまだ出遅れているのではないかなというふうに思います。普及率でいうとまだ10分の1以下というふうに言われているデータなんかもあったりします。
3Dスキャンには演算にパワーがいると思うんですが、昔はかなり難しかったのでは?実用的に早くできるようになったのはいつぐらいからですか?
それこそ本当にこの昨年(2019年)の6月7月ぐらいからがリアルに実用化できている段階入ったんじゃないかなと私は思います。
これまで詰め物被せ物を作るだけであればお口の中のスキャニングに関しても虫歯になっている歯プラス前後の歯だけスキャンができれば良かったわけです。
最新の口腔内スキャナーを備えた歯科用CADCAMシステムでは様々な機械の性能が上がったおかげで、お口の中全体を簡単に、5分程度の時間があれば簡単にスキャニングができるような時代になっています。
こういったことによって単純に詰め物や被せ物を作るだけではなくて、例えば初めて歯科医院に通院されてくる患者さんのお口の中の検査のやり方として、お口の中全体を口腔内のスキャナーでスキャニングをすることによって虫歯や詰め物の劣化、他にも様々なお口の中のトラブルをデジタルデータとして確認して保存をして評価していくことができる。そういった時代になっているのかなというふうに思います。
こういったところもひとえにまあ機械の進歩のおかげという風に考えてもいいんじゃないかなというふうに思っています。
1 Day Treatment Conceptはその他の治療で忙しいと実践できないできないので、そのせいで定着が遅れているのでしょうか?
今までの何十年と続くような日本の歯科医療のあり方に沿って歯科医院をつくってきたクリニックがある日突然こういったコンピュータのシステムを一式導入をして、なおかつ即日1 Day Treatmentで治療を行おうとすると、この治療法は1時間から1時間半程度のやっぱり時間は必要としますから、当然今までの医院の診療体制というのが色々とまぁあのトラブルが起こってくるのはこれ否定はできないことじゃないかなというふうに思います。
だいたいそういったクリニックではこの治療法が「それほど時間がかかると思わなかった」とか「思っていたより手間だった」ということで、予測し得ないものをいきなり今までのシステムに組み込んでしまって戸惑っているそういった先生方が非常に多いように見受けられます。
なので予約の取り方から実際にこの治療をどれくらいの時間でこなすことができるのかということですね。それらをあらかじめしっかりと知識として持ってクリニックの中にシステムとしてしっかりと組み込んでいくことができれば既存の保険診療とこういった自費のコンピュータのセラミック治療というのはしっかりと併存していくことができるというふうに考えていますので、これもやはり正しい知識とシステム化があれば決してできないことではないかなというふうに思っています。
ヨーロッパやアメリカでどう位置づけられて、患者はどう考えて医院に来ているのですか?どう受容されていったのかっていうことを教えてください。
CERECを開発したスイスのチューリヒ大学ではこういったセラミック治療が開発される前はプラスチックの詰め物を随分と比較検討して研究なんかを行ってきました。その前の段階としては金属を使ったアマルガム充填とかですね。金属を鋳造して作るようなメタルインレー治療なんかがたくさん使われていたわけですけども。
そういう金属のアレルギーだとか、またそのアマルガムに含まれている成分の問題、そういうところからなるべく金属を使わないようにしようという動きが1970年代にあったという風に聞いています。
当時開発された樹脂プラスチック材料によるレジン充填を臨床で応用したり研究を行ってきたようですけれども、当時は今と比較すると、なかなか歯にそのレジンという材料をくっつける技術が確立できていなかったですし、レジン自体の様々な性質 - 固まる瞬間に大きく収縮をするだとか、固まったあとも温度の変化で体積が大きく変わってしまうとか、そういったところで現在のレジンよりも今から30年前のレジンというのは質が悪かった。そこから金属の代わりとして応用されたものの、完全に代わりうる材料として確立できなかった。そういった背景があったようです。
で、私が留学させて頂いたチューリヒ大学のメルマン教授はそれらの金属と樹脂レジンの研究を行った中で、さらにより良質なものを開発しようということで研究に着手したのがコンピュータを応用したセラミック治療ということになります。
これまでの金属やプラスチックの材料の欠点を克服するための様々な観点から開発を行って実際に研究評価を行ったところ優れた成績が出たというところから実用化に至ったという、そういう経緯があるというふうに論文でも報告がされています。
これからのCERECはどう進化すると思いますか?
こういったコンピューターを使ったセラミック治療コンピューターを使った歯科治療というのが今後どういうふうに発展するのかというのは先生方も患者さんも非常に大きく興味を持っているところだったりします。
よく3Dプリンターとかがいろんな一般工業界なんかでも注目を集めています。これまでセレックが詰め物被せ物を作る方式というのは、この3Dプリンター(のように材料を固めて積み上げていく方式)ではなくて、ブロックから詰め物・かぶせ物を削り出したわけですけども。これからは3Dプリント技術なんかを使って樹脂にしてもセラミック材料にしてもプリントするように製作するな時代がひょっとしたら来るかもしれないです。そうすることによって材料の無駄だったり製作時間の無駄がさらに削減するような時代が来るかもしれないですね。
お口の中のデータだけではなくて、例えば顔のデータとか体のデータ、骨あとは筋肉・皮膚の状況そういったところまでをすべてデジタル化をして、今そこにいる患者さんの情報を100%全てコンピュータの中で再現することによって例えば歯の治療だったりインプラントだったり矯正だったり、それこそ顎の手術だって大きい領域までを全てコンピューターで診断をしたり治療計画を立てたり、そして予後を追って行くなんていうところができるようになってくるんじゃないかなというふうに思います。
そういったところを今大学もメーカーもバーチャルな人体構造を完全にまあコンピューター上で再現してシュミレートするなんていうことを積極的に研究を行っています。そのように、これまでは試行錯誤だったりやってみなきゃ分からなかったところがありましたが、なるべくコンピュータ上で再現をして安全にしかも規格化して医療を行っていくそういう時代が来るんじゃないかなというふうに考えています。
メルマン教授はどんな方なんですか?
メルマン教授はですね、大学の教授っていろんな性格の方いらっしゃいますけどもスイスのチューリヒ大学の中でももっとも人格者だっていう風な評価の高い先生です。実際に私が初めて会ったのは大学院時代に学会会長でいきなり声をかけたときが初めてでしたけども、当時まだ英語もちゃんとしゃべれないでカタコトで一生懸命質問した記憶がありますけれども本当に多忙な合間を縫っても優しく質問に答えてくれたそんな思い出があります。
また留学したいという希望もですね教授自体は本当に二つ返事ですぐに引き受けてくれたところもあったりして、様々な手続きだったり大学間の受け入れの状況なんかで少し時間がかかりましたけども、そういった意味で遠方からの留学に関しても非常にウエルカムだと言って受け入れてくれたそういった経緯があります。
今でも交友があるんですか?
今でもあの私の誕生日だったりするとメッセージをくれたりとかですね、あとは折に触れて私がどんなふうにしているかなということも気にかけてくれたりします。あと私は今2年に一度日本の先生方と一緒にスイスのチューリッヒに勉強会に行ったりしていますので、メルマン教授にも2年にいっぺんはお会いして色々と情報交換させていただいています。
欧米全体なのかわかりませんけどもスイスのチューリヒ大学ではいきなり教授の研究室を訪問するという非常に失礼な事に当たるというふうに言われていて、アポイント無しでいきなりいくっていうのはなかなかハードルが高いことなんですけども、一方でそのチューリヒ大学の中では同じ研究室の友であればそういった社交辞令は不要だというまたそういうルールがあります。
で私は留学している最中にメルマン教授と2人部屋でお仕事をさせて頂いた経緯がありますので、いわば同じ研究室の同僚という時期がありました。そういった経緯から私はのチューリヒ大学の中でもメルマン教授の部屋だけはアポなしで訪問していいという、そういうパスポートをいただいている立場ですので、こうやって勉強会でお邪魔した時なんかもいつもアポなしにお邪魔しては色々と情報交換をさせていただいているそういった間柄でもあります。
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