全体の生存率
29の研究・2,300本の接着性ブリッジを対象としたメタアナリシスでは、5年生存率91.4%(95%信頼区間 86.7〜94.4%)、10年生存率82.9%(同 73.2〜89.3%)と報告されています1。
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ADHESIVE BRIDGE
歯を1本失っても、手術をせず、隣の歯をほとんど削らずに補う方法があります。
歯を1本失ったとき、多くの場合はインプラント、ブリッジ、入れ歯の3つが選択肢として示されます。しかし、この3つのほかに、接着性ブリッジという方法があります。
失った歯の片隣にある歯の裏側をごくわずかに整え、そこにセラミックの人工歯を接着して支える治療です。外科手術は必要ありません。従来のブリッジのように、両隣の健康な歯を大きく削る必要もありません。
抜歯が必要な場合も、抜歯した当日にその場で接着性の仮歯が入ります。前歯を失ったまま人前に出る期間はありません。
ただし、この治療には明確な適応の条件があります。すべての方に行える方法ではありません。このページでは、条件と限界を含めてご説明します。
ABOUT
片隣の歯の裏側を最小限だけ整え、その面に接着させてブリッジを支える治療法です。歯科の分野ではレジンボンデッドブリッジとも呼ばれます。
通常のブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を全周にわたって大きく削り、場合によっては神経を取ったうえで、被せ物を橋のように連結します。失った歯1本を補うために、健康な歯2本を大きく犠牲にする構造です。
接着性ブリッジは、この考え方を変えます。削るのは片隣の歯の裏側だけで、しかもエナメル質の範囲内にとどめます。人工歯と支持部を一体に製作し、接着材で固定します。歯の表側からは、支えている部分がほとんど見えません。
接着の力だけで支えるため、かつては「外れやすい治療」と考えられてきました。しかし接着材料とセラミックの進歩により、現在の成績は大きく変わっています。この点は科学的根拠の項でご説明します。
当院では、口腔内スキャナーで読み取った形をもとにCAD/CAM(CEREC)で設計し、院内で削り出して製作します。材料は症例の条件に応じて選択します。
OUR STANCE
院長は天然歯を残す治療に特化しており、インプラントを行いません。インプラントが必要な場合は、招聘した専門の歯科医師が当院で担当します。
当院は予防、初期のむし歯や歯周病の治療、早い段階での銀歯のやりかえによって、抜歯そのものを回避することを治療方針としています。むし歯や歯周病が重症となった場合でも、いきなり神経を取ったり歯を抜いたりせず、まず神経や歯を残す治療、歯周組織を再生する治療を行います。
そのうえで、院長自身は最終的な歯科治療としてのインプラントを行いません。歯を失った部分をどう補うかについて、まず削らない方法・切らない方法から検討するためです。接着性ブリッジは、その中心にある治療のひとつです。
診査の結果、インプラントが適していると判断される場合には、招聘した専門の歯科医師が当院で担当します。院長がインプラントを行わないからこそ、まず歯を残す方法を検討し、そのうえで必要な場合にだけ手術をご提案する、という順序でお話しできます。削らない選択肢と、手術の選択肢の両方を、同じ場所でご検討いただけます。
インプラントのセカンドオピニオンOPTIONS
歯を1本失った部分を補う方法は4つあります。それぞれに得意なことと、引き換えになるものがあります。他院との比較ではなく、治療法どうしの比較です。
| 治療法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 接着性ブリッジ |
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| 通常のブリッジ |
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| インプラント |
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| 入れ歯 |
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「どれが一番よいか」という問いに、すべての方に共通する答えはありません。失った歯の場所、隣の歯の状態、噛み合わせ、そしてご希望によって、適した方法は変わります。診査のうえで、それぞれの条件でご説明します。
INDICATION
接着性ブリッジには3つの条件があります。これを満たさない場合、無理に行っても長持ちしません。
接着はエナメル質に対して最も強く働きます。隣の歯にすでに大きな詰め物や被せ物が入っている場合、神経を失っている場合には、接着の条件が変わります。
接着の力で支えるため、強い力がかかる部位では外れやすくなります。研究でも、前歯部のほうが奥歯より生存率が高いことが報告されています。
2本以上を連続して失っている場合、片側の歯だけでは支えきれません。
該当する項目があっても、直ちに治療が受けられないという意味ではありません。前処置や設計の工夫で対応できる場合があります。適応外と判断した場合は、その理由と、代わりにお勧めする方法をご説明します。
EVIDENCE
2,300本を対象としたメタアナリシスでは、接着性ブリッジの生存率は5年91.4%、10年82.9%と報告されています。そのうち、当院が行う片側支持の設計は、両側支持より有意に高い生存率を示しています。
接着性ブリッジは、かつて「外れやすい治療」とされていました。現在の研究は、その評価を設計と部位によって分けて見る必要があることを示しています。
29の研究・2,300本の接着性ブリッジを対象としたメタアナリシスでは、5年生存率91.4%(95%信頼区間 86.7〜94.4%)、10年生存率82.9%(同 73.2〜89.3%)と報告されています1。
同じレビューで、支えが1本の設計は、2本以上で支える設計より有意に高い生存率(p<0.0001)と低い脱離率(p=0.001)を示しました1。またジルコニアを用いたものが他の材料より有意に高い成績でした。前歯部のほうが奥歯より高い生存率も報告されています1。
前歯を失った87名に装着した108本を追跡した研究では、10年生存率98.2%、成功率92.0%と報告されています2。さらに241名・310本を平均85か月追跡した研究では、15年生存率97.3%(95%信頼区間 95.7〜98.9%)でした3。
最も多い不具合は脱離で、5年間で約15%に生じます1。ただし脱離は破損とは異なります。前歯部ジルコニアの研究では脱離17本のうち16本が再接着され、その後の問題は生じていません3。別の研究でも脱離6本すべてが再接着に成功しています2。
前歯部を対象とした統合レビューでは、5年成功率は片側支持91.9%、両側支持85.2%と報告されました(統計学的な有意差は認められず、p=0.22)4。同レビューには、ガラスセラミックによる片側支持で6年100%5という報告も含まれています。
アルミナセラミックによる片側支持22本を平均188.7か月(約15.7年)追跡した研究では、10年・15年生存率はいずれも95.4%、18年で81.8%でした。この期間中、脱離は1本も生じていません6。
これらは統計上の数値であり、個々の患者様の結果を保証するものではありません。噛み合わせ、歯ぎしりの有無、隣の歯に残るエナメル質の量、日々のお手入れによって経過は変わります。
CASE
上顎前歯を1歯失った症例です。手術は行わず、隣の歯の裏側を最小限だけ整えて接着しています。
DOCTOR
接着性ブリッジの成否は、接着とセラミックの扱いで決まります。院長は大学において21年以上にわたり修復治療の研究と臨床に従事しました。
院長 風間 龍之輔(歯学博士)は、新潟大学医歯学総合病院で変色歯外来およびCAD/CAM外来を担当し、接着修復とデジタル技術を用いた修復治療を専門としてきました。CAD/CAMで製作した修復物の適合性と辺縁封鎖性について、新潟大学での共同研究として日本歯科保存学雑誌に報告しています7。
接着性ブリッジは、削らないぶん、接着面の処理と設計の精度がそのまま予後に表れる治療です。CERECの開発者であるチューリッヒ大学 Werner Mörmann 教授に直接師事し、30年近くにわたりCAD/CAMの臨床応用に取り組んできた経験を、この治療にも用いています。
現在は年間50回を超える講演活動を行うとともに、松本歯科大学歯科保存学講座の臨床教授として、学生の臨床講義を担当しています。
FLOW
抜歯を伴う場合、通院は2回です。抜歯した当日に、その場で接着性の仮歯が入ります。歯のないまま過ごす期間はありません。
口腔内診査、レントゲン、口腔内写真の撮影、光学スキャンによる3Dモデルの作成を行います。隣の歯の状態、噛み合わせ、歯周組織を確認し、3つの適応条件を満たすかを判断します。
接着性ブリッジが適応となる場合は、その設計をご説明します。適応外の場合は、理由と代わりの方法をお伝えします。費用と想定される経過も、この段階でご確認いただきます。
抜歯が必要な場合は、この日に行います。すでに歯を失っている場合、この工程はありません。
口腔内スキャナーで歯型を採得します。粘土のような材料による型取りは行いません。
その場で仮の歯を作り、接着して装着します。抜歯した日にお帰りいただく時点で、見た目は回復しています。前歯を失った方にとって、歯のない期間があるかどうかは大きな違いです。
人工歯と支持部を一体で設計します。支持部の形態と厚みが接着の強さを左右するため、隣の歯の裏側の形に合わせて調整します。当院ではCAD/CAM(CEREC)で設計し、院内で削り出します。
隣の歯の裏側を、エナメル質の範囲内でごくわずかに整えます。接着面を処理したうえで、接着材で固定します。唾液の混入は接着力を大きく損なうため、ラバーダム(ゴムのシート)で歯を隔離した状態で行います。
接着性ブリッジに強い力がかからないよう、噛み合わせを調整します。この調整が、その後の予後を大きく左右します。
接着部の状態、噛み合わせの変化、歯周組織を定期的に確認します。
1回目と2回目の間隔は、抜歯した部分の治癒を待つ期間です。治り方には個人差があるため、診査のうえでご説明します。すでに歯を失っている方は、通院回数が変わることがあります。
COST
接着性ブリッジは公的医療保険が適用されない自由診療です。1装置488,000円(税込)です。
| 治療項目 | 費用 |
|---|---|
| 接着性ブリッジ (1装置) |
488,000円 |
| 初診・カウンセリング・診査診断 (初診料) |
28,000円 |
| 抜歯(前歯) ※必要な場合 |
27,500円 |
| 抜歯(臼歯) ※必要な場合 |
38,500円 |
| マウスピース (併用をお願いする場合) |
66,000円 |
制度の概要や申告方法については、治療費のページの「医療費控除について」をご覧ください。判断に迷われる場合はご相談ください。
RISK
接着性ブリッジは自由診療(保険適用外)です。治療にあたり、次のような事象が生じることがあります。
歯ぎしり・食いしばりのある方には、就寝時のマウスピースの併用をお願いすることがあります。
FAQ
インプラントとの選び分け、耐久性、費用など、ご相談の多い項目をまとめました。
失った歯が1本で、隣の歯が健康な天然歯であり、その部位に強い噛む力がかからない場合には、接着性ブリッジが選択肢になります。手術が不要で、隣の歯を削る量もごくわずかで済みます。
一方、奥歯のように強い力がかかる部位、複数の歯を失った場合、隣の歯がすでに神経を失っている場合には、接着性ブリッジは適しません。その場合はインプラントを含めた他の方法をご検討いただくことになります。インプラントは院長ではなく、招聘した専門の歯科医師が担当します。
院長はインプラントを行いません。天然歯を残す治療に特化しているためです。予防、初期のむし歯や歯周病の治療、早い段階での銀歯のやりかえによって、抜歯そのものを回避することを治療方針としています。
そのうえで、インプラントが必要と判断される場合には、招聘した専門の歯科医師が当院で担当します。院長自身がインプラントを行わないため、まず歯を残す方法を検討したうえで、必要な場合にだけ手術をご提案するという順序でお話しできます。
適していません。接着性ブリッジは接着の力で支えるため、強い噛む力がかかる部位では外れやすくなります。研究でも、前歯部に装着した場合のほうが奥歯より生存率が高いことが報告されています1。
奥歯を失われた場合は、他の方法をご検討いただくことになります。診査のうえでご説明します。
抜歯を伴う場合、通院は2回です。抜歯した当日に、その場で接着性の仮歯を装着します。歯のないまま過ごしていただく期間はありません。
抜歯した部分が治るのを待って、2回目の来院で最終の装置を装着します。治り方には個人差があるため、間隔は診査のうえでご説明します。すでに歯を失っている方は、通院回数が変わることがあります。
片隣の歯の裏側を、エナメル質の範囲内でごくわずかに整えます。従来のブリッジのように歯を全周にわたって大きく削ったり、神経を取ったりする必要はありません。
ただし、わずかであっても削った部分を元に戻すことはできません。
接着性ブリッジは1装置488,000円(税込)です。別途、初診・カウンセリング・診査診断の初診料が28,000円かかります。いずれも自由診療(保険適用外)です。
抜歯が必要な場合は別途申し受けます(前歯27,500円、臼歯38,500円/いずれも税込)。
接着性ブリッジは固定式のため、取り外しの必要がなく、装着時の違和感が入れ歯より小さい方法です。一方、入れ歯は複数の歯を失った場合にも対応でき、隣の歯を削る必要がありません。
失った歯が1本で、隣の歯が条件を満たす場合には、接着性ブリッジのほうが日常の負担は小さくなります。
連続して2本以上を失っている場合、片側の歯だけで支えることはできません。接着性ブリッジの適応外となります。
失った場所が離れている場合は、それぞれについて適応を判断します。診査のうえでご説明します。
はい。前歯の先天性欠如は、接着性ブリッジの代表的な適応のひとつです。
108本を追跡した研究では、歯を失った理由(先天性欠如・外傷・その他)によって予後に差は認められませんでした2。若い方の場合、まだ顎の成長が続いている段階では外科的な処置を避けたいという事情もあり、この治療が選ばれることがあります。
REFERENCES
本ページの記載は以下の文献に基づいています。掲載した数値は各研究における統計値であり、個々の治療結果を保証するものではありません。
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適応の判断には診査が必要です。他院でインプラントやブリッジを勧められた方のご相談も承っています。院長はインプラントを行わないため、まず歯を残す方法から順にご説明します。
ご予約・ご相談は、お電話またはメールで承っております。
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